目次
この記事は「AJCC(GⅡ)」の予想記事です。
AJCC(GⅡ) コースデータ
中山・芝2200m
コースの特徴
- 枠による有利不利というよりは、全4コーナーを回るため必然的に内を通る馬が有利になる
- スタート直後、急勾配の坂があるためスローペースになりやすい
- 2度の急坂を通るため、距離以上にタフなレースになる
- 最後の直線は日本屈指の2.2mの急勾配があり、距離が短いことから差し切るには相当の脚力がいる
- 馬場が荒れやすく、時計がかかりやすいので、パワータイプの血統が狙い目
- ただ、9月においては野芝主体でおこわれるため高速馬場になるため、スピードタイプの逃げ・先行馬が有利傾向
AJCC(GⅡ) 過去からの傾向
過去10年からの統計データから、今回の出走馬で該当する馬としない馬を判別し、予想の参考にしていきます。
ただし、当ブログはデータ派ではないため、統計データは参考にはするものの、過去に来なかったケースの馬でも調教や血統、枠などから残す場合もありますのでご注意ください。
馬券内馬30頭の内、社台系生産馬は21頭
ノーザンファーム:14頭
社台ファーム:5頭
社台C白老ファーム:2頭
さらにこの内、これを4歳馬だけに焦点を当てると
ノーザンファーム:7頭
社台ファーム:1頭
社台C白老ファーム:0頭
ノーザンファーム生産馬が好走した半分は4歳馬であり、クラシック明けの4歳初戦で好走が多くみられる証拠といえる。しかし逆に、社台系生産馬以外の4歳馬はこの10年馬券に一度も絡んでいない。このあたりは注意が必要。
今回出走馬で社台系生産馬じゃない4歳馬
なし
また、4歳に限らず全体としてもこれだけ好走数の多い社台系生産馬だが、こと勝率で言うとあまり高くはない。社台系生産馬以外で好走した馬の残り9頭の成績は(4.0.3)と4勝を挙げており、勝率だけで見ると社台系以外の方が数字的には上。社台系じゃない狙い目の馬がいるときは頭を狙うのもいいかもしれない。
前走内訳としては馬券内馬30頭のうち、26頭が重賞。特に、中日新聞杯(金鯱賞)の割合が9頭と多くを占めている(※この2つのレースは2017年を境に開催時期がテレコになったため同一とみなす)
- 中日新聞杯(3.1.5)
- 菊花賞(1.3.0)
- その他のGⅠ(4.1.1)
- その他のGⅡ・GⅢ(1.4.2)
- OP(0.1.1)
- 3勝クラス(1.0.1)
注目しておきたいのは5歳以上で1着獲った馬に関して。これらの馬はすべて前走が同開催の中日新聞杯組かGⅠかGⅡのみ。他のGⅢやOPから勝ち馬は出ていないのでそのあたりはチェックしておいた方が良い。
今回の出走馬で中日新聞杯以外のGⅢ以下のレースから参戦してきているで5歳以上の馬
エヒト(チャレンジC・3着)
オウケンムーン(中山金杯・14着)
シャムロックヒル(福島記念・10着)
スタッドリー(オリオンS・1着)
ブラックマジック(アンドロメダS・6着)
ラーゴム(中山金杯・9着)
レインカルナティオ(中山金杯・12着)
さらに3着以内という見方でも、3勝クラスで馬券になっているのは過去10年では4歳馬のみ。5歳以上で3勝クラス明けという歴戦ではここでは苦しいため、このあたりは分別をしておく必要あり。
今回の出走馬で3勝クラスから参戦してきているで5歳以上の馬
スタッドリー
馬券内馬30頭の馬齢内訳は以下
4歳(2.4.3)
5歳(3.1.3)
6歳(4.1.3)
7歳(1.3.0)
8歳(0.1.1)
複勝数では4歳が一番。ただ、勝数でいうと6歳が一番多く、このあたりは古馬の意地を感じる。
また、4歳馬の連対は基本3人気内までしか実現しておらず、4人気以下だと最高3着まで。4歳なり立てで斤量も増え、前走までにある程度の実績を残していないと勝ち負けまではいけない。
今回の出走馬で4人気以下になりそうな4歳馬
なし
馬券内馬30頭の道中位置の内訳は以下
逃げ(1.0.1)
先行(3.3.2)
中団(4.5.4)
後方(2.2.3)
脚質としては比較的満遍なく来ているが、中団からの差しがやや優勢。サンデー系・ディープ系の馬が多く好走しているのも差しが決まりやすいことが起因しており、差し馬にはディープ系の馬が多い。
逆に父がノーザンダンサー系の場合、先行以上の馬しか馬券絡みしていない。ノーザンダンサー系の馬は脚質をチェックしておこう。
今回の出走馬でノーザンダンサー系の馬
スタッドリー(脚質:好位差し)
また、人気薄の好走は前目位置からの馬が多く、人気薄の前残りは注意したいところ。
近10年で58キロ以上の斤量で出走した馬は2015年のゴールドシップ1頭で、この時は圧倒的な1人気ながら7着に沈んだ。しかしながら、もう少し遡ると、2011年にはトーセンジョーダン、2010年にはネヴァブションがいずれも58キロで勝利しており、決して現実性がないわけではない。
ちなみに、2015年のゴールドシップに関しては、斤量よりもローテーションに問題があると言え、中4週で有馬記念から出走してきたことが響いた。2014年にヴェルデグリーンも有馬記念からの参戦で1着を取っているが、有馬記念凡走からの参戦だったため比較的疲労がなかったことが大きく、有馬記念3着だったゴールドシップとはそのあたりに差があったと言える。
今回出走馬で有馬記念から参戦してきている馬
アリストテレス(有馬記念・14着)
内容的にも問題なし
2015年 1着 クリールカイザー 牡6・4人気
2014年 1着 ヴェルデグリーン 牡6・2人気
2018年 3着 マイネルミラノ 牡8・8人気
相沢郁厩舎の馬が2勝・3着1回と相性の良さを見せている。しかもこのうち2頭は逃げ馬。人気も決して高かったわけではなく、相沢郁厩舎の逃げ馬がいつ場合は注意したい。
AJCC(GⅡ) 出走表
AJCC(GⅡ) 血統
馬券内馬30頭の内、27頭が父・母父どちらかがサンデー系やロベルト系といったターントゥ系だった。特にディープ系とTサンデー系が多く、2200mの中距離戦だが中山の非根幹距離ということでタフさが重要となっている裏付けとも言える。
逆にターントゥ系ではない残りの3頭はノーザンダンサー系であり、いずれも欧州型の血統。狙いの馬がノーザンダンサー系の血統の場合は、欧州型か米国型かをチェックしておくといいかもしれない。
今回の出走馬でターントゥ系ではない馬
オウケンムーン
母父:エリシオ(ノーザンダンサー系・欧州型)
レインカルナティオ
母父:ファルブラヴ(ノーザンダンサー系・欧州型)
いずれも母父が欧州柄ノーザンダンサー系なので問題なし
⑥ユーバーレーベン
父:ゴールドシップ
母父:ロージズインメイ
⑩ガイアフォース
父:キタサンブラック
母母父:ダンスインザダーク
上記2頭はスタミナに溢れた血統。特にユーバーレーベンの母父でもあるロージズインメイは去年2着に入って波乱を巻き起こしたマイネルファンロンの母父でもあり、血統的な裏付けも十分。
また、ガイアフォースの父キタサンブラックは今勢いある血統ともいえ、去年末のグランプリ有馬記念を勝ったイクイノックス、先週京成杯で強い勝ち方をしたソールオリエンスなど、中山で力をいかんなく発揮。
AJCC(GⅡ) 追い切り
ノースブリッジ
エヒト
ユーバーレーベン
スタッドリー
アリストテレス
12/08 ② シャムロックヒル グリーンウッド
12/27 ⑩ ガイアフォース 宇治田原優駿S
12/27 ⑪ エピファニー ノーザンF天栄
12/23 ⑤ バビット TomorrowF
12/22 ⑥ ユーバーレーベン ビッグレッドF鉾田
12/21 ⑧ オウケンムーン ノーザンF天栄
01/06 ⑦ スタッドリー ノーザンFしがらき
AJCC(GⅡ) 陣営コメント
AJCC(GⅡ) トラックバイアス
AJCC(GⅡ) 最終結論
過去傾向・血統・追い切り、枠順、これらから今回のティア表は以下
S:なし
A:⑩ガイアフォース、④ノースブリッジ、⑥ユーバーレーベン
B:⑪エピファニー
C:⑤バビット、⑨エヒト、①レインカルナティオ
D:その他
自信度:A
各馬短評
去年のAJCCでは、圧倒的な人気で支持されていたオーソクレースが6着とまさかの馬券外で敗退。そして2人気だったポタジェもまた、5着と人気を裏切る形となりました。
まずポタジェに関しては、おおよそ実力通りの結果と言えます。しいて言えば、この馬は2000mまで。父ディープインパクトは根幹距離が合いますし、母系もスタミナ指向ではないため、たった200mの延長とはいえど、スタミナが要されるこのレースでは少々厳しかったと思います。
そして問題はオーソクレースでした。出遅れながらも菊花賞2着に入った実績を考えてもスタミナは十分。実際同じ条件のセントライト記念で3着になるなど適性も問題あありません。ただこの日はプラス10キロという馬体重でした。鞍上のルメール騎手によれば、「息をたくさん入れていた」「直線でバテた」というコメントも出てたことを考えると、スタミナに自信のある馬と言えども状態が良くなければ息が持たないほどタフなコースということです。またオーソクレースは血統背景的にも父エピファネイアは比較的長距離向きではありますが、母父ディープインパクトは万能タイプ。母母父もエルコンドルパサーという感じで、ゴリゴリのスタミナ血統というわけではありません。それでもSadler's Wells 9.38% 4 x 5のクロスがあったあたりで菊花賞も好走しました。ただし、ここでは人気馬の安定感を求めるならもっとゴリゴリのスタミナ血統の方が安心です。セントライト記念が3着というのも、良い意味で3着というよりは悪い意味で3着ともとれます。
そう考えると、今回の圧倒的1人気のガイアフォースはゴリゴリのスタミナ血統と言えます。特に父キタサンブラックは長距離に強いだけではなく、中山に強い適性持ち。加えて母母父は多くの長距離場を輩出しているダンスインザダークで、ダンス自体も弥生賞を勝つなど中山のスピードレースにも適応。メイチじゃなくてもオーソクレースのように凡走せずにある程度走れることが期待できます。
毎年、年明けはあまりピリっとしないルメール騎手ですが、ここは3着以内はかなり濃厚かと思われます。
血統的にも推せるガイアフォースに対して、逆に血統的に心配なのはオーソクレースとかなり似た血統のエピファニーです。実際、ここまで1800mしか走っていない点をみてもスタミナ適性は未知数。ただ、デビュー前に「追い切り後もケロッとしています」と心肺機能の高さに舌を巻いたこともあるので、意外と対応できる資質がある可能性もあります。また、母ルールブリタニアは、全姉にミッキークイーンがいます。キタサンブラックと同期で、4歳時の有馬記念ではキタサンブラック2着、ミッキークイーン5着という実績もあるので、このあたりが上手く出ていればさらに適応力の可能性も上がりますが、母系の個性は必ずしも前に出るわけではないので強気にはなれません。また、2年前の覇者アリストテレスも父エピファネイア、母父ディープとエピファニーと似た血統ですが、決定的に違うのはアリストテレスは母母父がトニービンだったこと。エピファニーは母母系がスタミナとは無縁な点を考えるとやはり不安点は拭えません。かなりの気性難で距離延長はあまり歓迎とは言えません。精神的な成長が見られれば今回楽しみではありましたが、そこまでの急激な変化は期待できず道中の折り合いがかなり肝になりそうです。
ここへきてようやく鋭い動きが戻ってきています。オークス後に屈腱周囲炎と診断され、以降は脚部不安が付きまとっており速い時計に対応できない印象があったので、昨年の京都記念やドバイの内容から見ても今は東京よりも中山の方が合うと思います。Mデムーロ騎手のスタートが少々心配ではありますが、中山2200は基本スローですし、天皇賞秋で33.3秒で使えているならここでも脚は伸ばせます。おそらくですが、ユーバーレーベンにとってここを逃すと重賞勝利が狙えるのは後にも先にもないかもしれません。ここの結果次第では日経賞なども狙えるかもしれませんが、状態面も含めるとここが最後のチャンスというのも十分あり得ます。
調教の内容が時計的なものではなく折り合い面を重視した内容で非常に良い動きでした。ここ6戦ほどずっと東京で、中山ではセントライト記念で凡走している点から中山適性を心配される声もありますが、正直なところ、グラスワンダー、スクリーンヒーローの血を継いで中山が苦手な馬をわたしは知りません。そもそもノースブリッジはキレる脚を使うタイプではなく、先行して長く良い脚を使うのがこの馬の特徴なので明らかに東京が最適ではないです。距離も、長距離に対応できるというよりは、ジェラルディーナのように中山の非根幹距離なら長くても対応できる、というものなのでここは距離不安も一切なし。ここは有力の一角です。
馬券買い目
馬券形式 | 買い目 | 自信度 |
---|---|---|
馬連 | ④⑥⑩BOX | ★★★ |
3連単 | ④⑥⑩BOX | ★ |
3連複 | ④⑥⑩-④⑥⑩-①⑤⑨⑪ | ★ |
計 21 点 |
AJCC(GⅡ) 結果&回顧
ここで回顧をおこなうことで、各馬の次走の予想や、来年の同レースを予想の際に役立てます☝