目次
この記事は「中山金杯(GⅢ)」の予想記事です。
中山金杯(GⅢ) コースデータ
中山・芝2000m(内回り)
同条件のレース:皐月賞、ホープフルステークス、弥生賞、京成杯、紫苑ステークス、中山金杯
コースの特徴
- スタート直後に急坂を迎えるため、ペースが落ち着きスローペースになりやすい
- 枠による大きな不利はないが、コーナー4つを回る小回りコースのため終始外を回らされると距離ロスをする
- 急坂を2度迎えるため、実際の2000mよりもタフなレースになりやすく、先行馬は序盤に脚を使うと最後まで持たない
- 馬場が荒れて時計の掛かる馬場の時はパワー型の血統が、9月などの高速馬場の場合はスピード型の血統が狙い目
過去の予想と結果
中山金杯(GⅢ) 過去からの傾向
過去10年からの統計データから、今回の出走馬で該当する馬としない馬を判別し、予想の参考にしていきます。
ただし、当ブログはデータ派ではないため、統計データは参考にはするものの、過去に来なかったケースの馬でも調教や血統、枠などから残す場合もありますのでご注意ください。
この10年の内訳としては、重賞組かL組か3勝クラス組のみが馬券内、3勝クラスに関しては2000m戦のみが対象となっている。
中でも数的に多いのはチャレンジカップ組とディセンバーS組。ただしどちらも馬券内の数は多いものの、計11年のうち、勝ったのは1度ずつのみなので単で考える場合には注意したい。
また、基本的に前走重賞の場合は実績十分と考えて人気・着順は不問。ただし、ディセンバーS組の場合は相性の良さから5人気か5着以内という実績までの許容範囲があるものの、それ以外の場合は3人気か3着以内は必須でないと格的にも厳しい状況。
今回出走馬でこれに該当できなかった馬は、
スカーフェイス
ヒュミドール
コスモカレンドゥラ
エヴァーガーデン
ハンデ戦となる中山金杯では高ハンデ馬の好走はわりとあり、58キロ以下ならどの斤量でも馬券対象となっている。特に、高斤量の場合はTサンデーの血がかなり重要度を示しており、57キロ以上の好走馬9頭のうち7頭が父か母父にTサンデーを持っている馬だった。残り2頭もそこまでかけ離れてはおらず、どちらも父ノーザンダンサー系で母父サンデーサイレンスという血統だった。
今回出走馬でこれに該当している馬は、
ゴールドスミス(父ステイゴールド)
ラーゴム(父オルフェーヴル)
アラタ(母父ハーツクライ)
マテンロウレオ(父ハーツクライ)
逆に軽ハンデ馬に関しては、53キロまでが馬券対象。52キロ以下の馬も過去最低で48キロの馬などが出走しているが、これまで馬券内に入ったことはない。
過去10年の52キロ以下の馬の成績
0-0-0-9
今回出走馬でこれに該当している馬は、
なし
逃げは過去2頭が馬券内。どちらも人気薄であったことから軽視は禁物といったところ。中山のコース形態もあってか、先行以上のポジションの馬は上がり上位になることはないため、最後の坂でもスピードさえ落ちなければ問題なし。
逆に差し・追い込み馬は、ある程度の上がりは必要で特に1着になる場合は上がり3位以内になるくらいの末脚は出したいところ。ただ、他のレースとは違い、やはりスタミナ重視で上がり重視ではないため、2着・3着であれば上がり4位以下でも食い込んでくる可能性は十分。
一つ注意したいのは、父や母父がロベルト系の馬の場合。その場合は先行以上で進めることが必須。グラスワンダーやシンボリクエスエスと言ったロベルト系の馬が中山巧者であるため、どちらかといえば欧州血統なのでスタミナと末脚で勝ち負けするというよりもコース適正で勝ち負けしていることが多い。そのため末脚勝負になると分が悪い。
今回の出走馬で父・母父がロベルト系かつ差し・追い込みの馬
フォワードアゲン
ラーグルフに関してはここ数戦好位からの競馬で結果を出しているので判定外
ほかの重賞戦に比べ、中山金杯は比較的高齢馬が活躍。
4歳:2-3-2
5歳:3-3-2
6歳:3-4-3
7歳:2-0-3
ただし8歳以上の10年内好走はない。
今年の出走馬で8歳以上の馬
ゴールドスミス 9歳
また、注意したいのは馬齢に対しての斤量。5歳・6歳はとくに斤量的な問題はないが、7歳以上は57キロまでしかこの10年馬券内実績がない。また、4歳馬は56.5キロまで。これは、高齢には高斤量が厳しいということと、つい1週間前まで斤量的なハンデがあった4歳馬にとって早速斤量の洗礼を受けている、と見るのが妥当。
今年の出走馬でこれに該当している馬
マテンロウレオ 57.5キロ
過去10年の牝馬の成績は 0-0-0-9
これは完全にスタミナを要するレースであることが起因しており、すでに2500m以上のレースでの実績を持っているなどしてない限り厳しいレースになりそうだ。
今年の出走馬でこれに該当している馬
クリノプレミアム
エヴァーガーデン
逆に、目黒記念を勝っているウインキートスはスタミナレースでも一切問題はなく、中山適性も高いので軽視は禁物。
中山金杯男としては、松岡正海騎手が1勝・2着3回と過去10年で4度馬券に絡んでいる。マイネルかウインの馬に乗って出走してくる際は注意したい。
今回出走馬でこれに該当している馬は、
ウインキートス
中山金杯(GⅢ) 血統
過去10年の馬券圏内馬30頭の内なんと20頭がスタミナ血統でした。表を見てもとてもじゃないですが中距離戦の馬とは思えないですよね。そしてさらに、30頭のうち14頭が父馬ターントゥ系(Tサンデー系・ディープ系)という血統背景。特に主流となっているのはやはりTサンデー系でしょう。これを見れば中山金杯が2000mであるとは言ってもスタミナを要するレースであるということがハッキリとわかります。その他にもグレイソヴリン系やサドラーズウェルズ系もスタミナ系の血統でさらなる後押しと言えます。
過去10年3着以内の30頭のうち父馬がターントゥ系じゃない馬
父馬がターントゥ系だった馬が14頭だったのに対して、それ以外の16頭が2つ目の表の馬です。ここでも驚くべきは、母父ターントゥ系である馬がほとんどだったことです。つまり、父か母父にターントゥ系が入っている馬が27頭いるということ。それに該当しなかった馬は3頭しかいなかったことになります。
中山金杯の軸馬を決める際は、父か母父に
・サンデー系
・Pサンデー系
・Tサンデー系
・ディープインパクト系
・ロベルト系
といったターントゥ系が入っているかどうかの確認は必須でしょう。
父がスタミナ血統、父か母父にターントゥ系という条件で、今回の出走馬で期待できそうな馬は
ラーグルフ
父:モーリス(ロベルト系)
母母父:シンボリクエスエス(ロベルト系)
父モーリスはグラスワンダー系の血統ということで、父系にも母系にも中山にめっぽう強いロベルトの血が流れています。
マテンロウレオ
父:ハーツクライ(Tサンデー系)
母父:ブライアンズタイム(ロベルト系)
中距離専門馬ながらTサンデーの血とロベルトの血でスタミナ要素が高く、タフな中距離戦が合います。
アラタ
父:キングカメハメハ(キングマンボ系)
母父:ハーツクライ(Tサンデー系)
ワンダフルタウン
父:ルーラーシップ(キングマンボ系)
母父:ディープインパクト(ディープインパクト系)
父キングマンボ系×母父ターントゥ系というのはここ2年で好走馬を出している黄金血統。
カレンルシェルブル
父:ハービンジャー(ダンチヒ系)
母父:ハーツクライ(Tサンデー系)
父ハービンジャーの欧州型ノーザンダンサーは過去8頭が馬券内になっている。さらにそのうち5頭が母父がサンデー系かロベルト系であり、裏付けとしても十分。
中山金杯(GⅢ) 追い切り
アラタ
マテンロウレオ
フェーングロッテン
ラーゴム
カレンルシェルブル
ウインキートス
レッドランメルト
ワンダフルタウン
12/06 ⑯ゴールドスミス ミッドウェイF
12/07 ⑨ヒュミドール 吉澤S-EAST
12/07 ⑤フェーングロッテン ノーザンFしがらき
12/07 ②クリノプレミアム テンコーTC
12/09 ⑧カレンルシェルブル 山元トレセン
12/14 ④レインカルナティオ ノーザンF天栄
12/14 ⑰エヴァーガーデン KSトレーニングC
12/24 ⑬フォワードアゲン KSトレーニングC
中山金杯(GⅢ) 陣営コメント
中山金杯(GⅢ) トラックバイアス
中山金杯(GⅢ) 最終結論
過去傾向・血統・追い切り、枠順、これらから今回のティア表は以下
各馬短評
馬券買い目
馬券形式 | 買い目 | 自信度 |
---|---|---|
馬連 | ⑤-⑦ | ★★★★★ |
⑧-⑤⑦ | ★★★ | |
⑤⑦⑧-①③ | ★ | |
ワイド | ⑤-⑦ | ★★★★★ |
⑧-⑤⑦ | ★★★ | |
3連単 | ⑤⑦⑧BOX | ★ |
理想投資額:3千円前後 |
中山金杯(GⅢ) 結果&回顧
ここで回顧をおこなうことで、各馬の次走の予想や、来年の同レースを予想の際に役立てます☝
2023年の中山金杯(GⅢ)の結果は以下
1着 ③ラーグリフ(牡4)56.0 戸崎圭 C評価
2着 ②クリノプレミアム(牝6)55.0 Mデムーロ D評価
3着 ⑤フェーングロッテン(牡4)56.0 若松 A評価
4着 ⑦アラタ(牡6)57.0 横山武 A評価
5着 ①マテンロウレオ(牡4)57.5 横山和 C評価
今回買い目に残したのはC評価までの5頭。そのうちの4頭が掲示板までを確保しました。
しかし、問題は②クリノプレミアムを逃した点。2着に入られたので馬連を逃す結果となってしまいました。
残した5頭はほぼほぼ上位に来ているので狙った馬の展開は狙った通りでしたが、余計な馬まで切ってしまっては意味がないです。ではここからは、②クリノプレミアムをどうやって残すべきだったか、来年はこういった馬を取り逃さないためにどうするべきかを考察していきます。
まず、今回②クリノプレミアムを切った理由が、「長距離実績のない牝馬」であったという理由でした。過去10年の牝馬の成績自体が 0-0-0-9 ということでデータ的には牝馬即消しとなりますが、過去に牝馬が来なかった理由としてスタミナ不足というのを今回挙げたので、ただ単に牝馬を切るのではなく、2500m以上の長距離実績がない牝馬を切るという選別を行いました。なので実際あの時点ではウインキートスを残すなどしたりして、藪から棒にデータ的に牝馬を即消しないようにしていました。100%データでも絶対はないため、残すべき馬は残す、という方向までみていたところまでは良かったかと思います。
しかし問題はその選別方法。②クリノプレミアムは前走2200mのエリザベス女王杯が経験している最長距離で、そのレースも1.5秒差の11着という大敗であったことから、2000m以上ではスタミナ不安のある牝馬という断定をしたわけですが、これが決定的なミスとなりました。中山のコース形態という点からスタミナを必要とするという判別をおこなったわけですが、実際走るのは2000mですので、2500mというような具体的な距離実績ではなく、血統背景からスタミナ不安の解消できる馬を残す、というのが正解だったのだと思います。
となれば牝馬で切れるのは⑰エヴァーガーデンのみ。ゴールドシップ産駒の⑫ウインキートス、オルフェーヴル産駒の②クリノプレミアムはステイゴールド系のスタミナが約束された血統なので残すことができます。そのスタミナの裏付けがあれば、中山牝馬S1着、京成杯AH3着の実績がある中山巧者の②クリノプレミアムを最終的にB評価にまでは挙げることができたのだと思います。
たったひとつの選別方法でここまで結果がかわることがあるのが競馬です。年々このレース回顧からの考察を重ねておこっていくことで、精度を限りなく上げることができれば上出来ですね。以上、次に繋げる回顧でした。
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